メンタルケアサービスを提供している株式会社WKAの調査では、EAPの導入は、労働者ひとりあたりの生産性を30%以上向上させるというデータ*があります。*EAP:20〜30%・ICT:5〜20%
多くの企業では、長時間労働が一般的。これが健康問題や労働生産性の低下を招いている。
長時間労働
労働生産性を高める定番の方法として「ICTの活用」や「働き方改革」が挙げられますが、これらは新しい生産性を追加するアプローチです。
対照的に「EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)」は、従業員の心身の健康が、結果的に生産性向上に繋がるという考えに基づき、企業が元々持っている生産性を最大限に引き出すための手法です。EAPは、主として従業員のメンタルヘルスをサポートし、企業の真の生産性を引き出す役割を果たします。
OECDのデータによれば、日本の労働生産性は多くの先進国に比べて後れを取っており、特に北欧諸国やアメリカとの差が顕著です。
この背景には、ICTの活用不足などが挙げられますが、最も大きな要因は、長時間労働の温床となっている日本の悪しき労働慣行であります。
日本の伝統的労働慣行は経済環境の変化に対応できず、長時間労働や過度なストレス、伝統的な上下関係が重視される職場文化などが、従業員の心の健康を圧迫しています。
この結果、休職や退職、生産性の低下といった問題が発生。また、メンタルヘルスの問題はタブー視されがちで、オープンに話し合う文化がないため、早期の対応や予防が難しく、経営にも大きな影響が及んでいます。
多くの企業では、長時間労働が一般的。これが健康問題や労働生産性の低下を招いている。
長時間労働
有給休暇の取得率が低く、労働者の休息とリカバリーが不足している。
休暇の取得不足
部署間のコミュニケーションが不足しており、企業全体としての効率が損なわれている。
セクション主義
男女間のキャリア進展の格差が存在し、多様性と包括性の観点から問題とされている。
女性キャリア進展の障壁
上下関係が厳格で、部下からのフィードバックが少ない経営スタイルが一般的である。
上下関係
フレックスタイムや在宅勤務など、労働の柔軟性が不足している企業が多い。
柔軟性不足
昇進や報酬の決定が不透明で、労働者のモチベーションを下げている。
不透明な 人事評価
書類作成や会議が多く、実際の業務に対する効率が損なわれている。
過剰な 形式主義
WKAの調査では、メンタルダウン者(または予備軍)の生産性は33%低下するという結果が出ています。
企業内のメンタル不全者(ダウン者+予備軍)は全体の生産性を下げると同時に、その勤務態度は、他の従業員にも徐々に伝搬していきます。これらの問題は、適切な治療や専門者から助言を受けることで改善できるのですが、企業側に周知されていないのが現状です。
この調査データからわかることは、企業が本来発揮できる労働生産性が、悪しき労働慣行によって損なわれているということです。
さらに、下記表(2021年)をみれば、労働生産性の高さとEAP制度の充実は比例していると理解できます。
EAPの取り組み | |
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3位 | ノルウェー 心理療法、柔軟な勤務時間、ストレス管理プログラム、職場での健康促進活動、教育とトレーニング |
4位 | 米国 国立精神衛生研究所(NIMH)などの研究機関が、メンタルヘルスの科学的な理解を深めるための研究を積極的に行っています。企業も従業員のメンタルヘルスを重視し、EAP(Employee Assistance Program)などのプログラムを提供している。 |
7位 | デンマーク 企業は心理的支援、健康とウェルビーイングのプログラム、キャリア開発支援など多岐にわたるサービスを提供している。 |
8位 | フランス 職場でのメンタルヘルスのケアと予防に取り組んでいる。 |
9位 | オーストラリア メンタルヘルスの研究と啓発が活発。政府主導の「Beyond Blue」などのプロジェクトが、メンタルヘルスの理解を深め、社会全体でのサポート体制の構築を目指している。 |
11位 | スウェーデン 福祉政策の一環としてメンタルヘルスのケアを重視。メンタルヘルスの予防と治療に対する包括的なアプローチで、科学的な方法に基づいた取り組みが進められている。 |
13位 | オランダ メンタルヘルスの予防と早期対応に重点を置いた取り組みが進んでいる。 |
15位 | ドイツ 産業医療と連携したメンタルヘルスのケア体制が整っている。 |
29位 | 日本 ストレスチェック制度など、企業におけるメンタルヘルス対策が進んでいる。 |
長時間労働による過労に加えて、パワハラや職場の人間関係(いじめ等)、配属のミスマッチ(左遷含む)などもメンタル不全の大きな要因となります。
上司や優位な立場の者からの過度な指導、命令、無理な要求などが繰り返されることで、従業員の自尊心や自信が低下し、ストレスが蓄積される。職場の雰囲気を悪化させ、従業員のモチベーション低下や退職を引き起こす。
職場内での人間関係のトラブル、例えば同僚間のいじめや無視、上司による依怙贔屓や差別といった不公平な扱い等が原因で、職場の居心地が悪くなり、働く意欲が削がれる。
自身のスキルや適性と合わない業務に配属されると、業務の遂行が困難になり、過度なストレスを感じる。長期間この状態が続くと、従業員の能力が十分に発揮されず、生産性が著しく低下する。
パワハラやいじめをしたり、部下を公平に扱わない「組織の健全性を損なう者」は、メンタル不全者を生み出す最大の“人的”要因の当事者です。
残念ながら、彼らの多くは、頭脳が明晰で人を惹きつける嘘を平気でつくことができたり、話が上手なので、人から好かれる傾向にあったり、一見は「とても良い人」の評価になりがちなのです。
心理分析ツール「Mieru×Wakaru(ミエルワカル)は、企業の生産性を損なう要因である「組織の健全性を損なう者」と彼らによって被害を受けた「メンタル不全者」を可視化することができます。
「Mieru×Wakaru」の分析結果を基にメンタル不全者を生み出す原因の排除や不全者のケアを実施をサポートしていきます。
「Mieru×Wakaru」では、「ストレス耐性」「コミュニケーション能力」「性格分析」「職場順応性」「人間関係構築度」「離職志向性」などの尺度を分析することが可能です。企業・団体ごとに1名様限定で無料体験できますので、ご興味のある方はお試し下さい。
株式会社エールでは「Mieru×Wakaru」の心理分析サービスの他にEAP制度を導入・運用可能なさまざまなサービスを提供しています。
また、EAP導入・運用時に発生する費用の一部を助成金で利用できるサポートも実施しています。
株式会社エールは、「Mieru×Wakaru」をはじめEAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)の導入・運用に関するさまざまなサービスを提供しています。
就業中やプライベートでの心理負担の結果、メンタルに異常を期待した従業員の対応を弊社の心理士及び特定社労士が両側面で対応いたします。復職に向けてのアプローチから、企業側としてデメリットとされる従業員への干渉行為まで包括的に支援いたします。
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